ミュージアムの楽しみ方

悠久の歴史に“触れる”展示

悠久の歴史に“触れる”展示
当館の展示品の一部はケースがなく、来館者が直に手で触れられるようになっています。
見るだけではわからない素材の違いや厚み、彫刻の力強さや細かさなどを体感できるのです。
また、ケース内の展示品は裏側も鑑賞できるよう、背面を鏡張りにしています。
表だけでなく、普段はなかなか目にすることのない裏まで味わうことで、新たな発見があるかもしれません。
美術品をさまざまな角度から眺めてみれば、楽しみは何倍にも膨らむでしょう。

イベント利用にも最適な空間

イベント利用にも最適な空間
古民家を利用した当館は、施設を活かしたイベントも開催しております。
例えば、初夏の人気イベントが「ホタル観賞会」。建物と自然豊かな環境が、幻想的な世界を創り出します。
また、企画展やお茶会なども行っておりますので、お気軽にお問い合わせください。

大切にしたい、語り継ぐ文化

シルクロード(絹の道)の文化は、我が国の正倉院の宝物の源流として知られていますが、ここには、紀元前3000年頃から15世紀頃までの彩文土器、磨研土器、イスラム陶器、ガラス器等の美術品が展示してあります。
美術品から、先人達も同じ人間であり、考える能力、美意識、思想も全て同じであるという事が想像でき、心から生まれたものだという事が分かります。日本人の精神的な支えとなった仏教美術。古人の祈りの心や癒しの心を垣間見る事ができます。まさしく、シルクロード文化の真骨頂であろうと想像します。浜名梱包輸送 シルクロード・ミュージアムが生まれた意味。それは、様々な時代、古美術品を通して、シルクロード文化の多様性と素晴らしさに触れ、人間にとって文化が如何に大切であるかを学べる場所になれば幸いです。
館 長/鈴木鐵男(すずき・かねお)
1942年3月12日生まれ。
静岡県磐田郡竜川村相津出身。
静岡県立二俣高等学校卒業
1967年 
浜名梱包輸送株式会社代表取締役社長就任
2007年 
浜名梱包輸送株式会社代表取締役会長就任
歴史の骨組み/貴重な収集
磐田市上野部に「浜名梱包輸送シルクロード・ミュージアム」が開かれたのは、2008年1月8日である。
同社創立者の鈴木鐵男氏がシルクロード美術館を設立したいと思うようになったのはおそらく、1978年の秋にイランを訪れ、ペルセポリスやイスファハンなどを私と一緒に観光したころではないか。
テヘランではなじみに骨董屋に行って、イランの先史土器、イスラム陶器などを直接手に取って楽しみ、感銘を受けたことがシルクロード文化に強く惹かれる契機となったに相違ない。
無論、それ以前に彼はヤマハの工芸展などを通じて日本の陶器や磁器に親しんでもいて、コレクションの出発点、中心は土器、すなわち「土の文化」にあった。 テヘランでは、前1000年紀の麿研土器、彩文土器、9世紀から15世紀の彩画陶器、青釉陶器などを購入し、イスタンブール経由で日本に持ち帰った。こうしてシルクロード文化の中心地を起点として古美術品の収集が始まったのである。
次に目を向けたのは、イランの東のパキスタン北部、すなわちガンダーラの仏教美術である。84年に私と二人でタキシーラ、ペシャワール、スワートを訪れ、かつて栄えた仏教文化の遺産に触れることができた。サーリ・バーロールの仏教遺跡の村では、ストゥッコ製仏陀頭部、クシャン朝の国王が発行した銅貨を購入した。
この銅貨を契機として以後、グレコ・バクトリア、インド・グリーク、インド・スキタイ、クシャン、アルサケス朝パルティア、ササン朝などの諸王朝が発行した金貨、銀貨、銅貨を収集するに到った。その目的は、古銭を通してシルクロードの歴史の骨組みを理解し、示すことにあった。
この後、中国に収集の目を向けた。文化大革命の後、中国から大量に古美術品が香港の骨董市場に流出した。その結果、それまで高額で手が届かなかった先史彩文土器、後漢の彩釉陶器、青銅製鏡などが値崩れを起こしたので、それらを購入した。
このようにして、イラン、パキスタン、中国の古美術品が鈴木氏のコレクションの中核を形成するに到った。それ以後はこれらの地域以外、あるいはこれらに関係する作品を、古美術商を通して収集した。
例えば、パキスタンの先史土器、ガンダーラのいわゆる化粧皿、古代インドの女神像、ウズベキスタン南部ないしアフガニスタン北部の仏教彫刻、中国新疆ウイグル自治区の仏教彫刻、さらに我が国の正倉院の白瑠璃碗と同種のカットガラス碗(イラン北部出土)などである。
収集品はコインだけで300枚余、美術品は500点余。略述した収集品の中には、我が国の他の美術館、博物館には見られない貴重なものがあり、また世界的にも著名な女神像もあるが、それは単に古美術を漫然と集めるのではなく、学術的にも貴重なものを率先して収集しようと試みた結果である。
名誉顧問/田辺勝美(たなべ・かつみ)
1941年生まれ。静岡県磐田郡竜川村月出身。
1967年 東京大学教養学部教養学科卒業。
東京大学総合研究資料館助手、
(財)古代オリエント博物館研究部長、
金沢大学文学部教授を経て、
現在、中央大学総合政策学部教授。
文学博士(東京大学)。
専門は西アジア、中央アジア美術史、文化交流史。